第219章 黒風

「橘さん。あの三人の顔、はっきり確認できましたか?」

向かいに座る少女を見据え、警官は声を潜めて尋ねた。

橘結衣は現場で唯一の目撃者として、事情聴取に呼ばれていた。

「一人は仮面をつけていました。残りの二人も黒いベールみたいなもので顔を隠していて……でも、仮面のほうは私が外しました。半分だけ見えたんですけど、顔の皮が剥がされたみたいで……すごく怖かったです」

「もう二人は、どっちも身長が185センチ以上。片方は左手の小指が欠けてました。私に発砲したのは、その人です」

「訛りを聞く限り、華国の人じゃないと思います。たぶん、別の国から来たんじゃないかと」

警官はすぐ要点を拾う。

「...

ログインして続きを読む